ZEN-UN-YU 全運輸労働組合
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日航907便事故関係者の起訴にあたっての声明

 本日、東京地方検察庁は、2001年1月31日に発生した日航907便事故の関係者(航空管制官2名)を、業務上過失致傷罪で起訴した。

 この事故については、事故発生後2日目に国土交通省航空局によって、関係機との交信において管制官の航空機無線呼出符号の言い間違いがあったと発表され、あたかもそれが主たる原因であるかのような報道が行われた。
 また、管制現場において全国的にも毎年多くのニアミス、ひやり・はっとが報告されている現状や、過去に当該空域で今回の事故と類似事例の発生があったにもかかわらず、航空・鉄道事故調査委員会が2002年7月に発表した事故調査報告書では、当該管制官の言い間違いとの連関という極めて狭い範囲に調査が限定されており、根底にある空域の過密問題やヒューマンエラーの分析等については何ら踏み込んだ記述が見られない。
 こうした現状がありながら、航空・鉄道事故調査委員会は、事故調査報告書を捜査当局の要請に基づき鑑定書として提出を行った。不十分な事故調査報告書はもとより、そうした報告書に基づき捜査が行われることは、事故原因の本質をゆがめるばかりでなく、報告書における関係者の証言が刑事訴訟手続に使用されることとなり、再発防止を第一義目的とした事故調査に大きな障害になることは明らかである。同時に、国際民間航空条約に違反するとともに、黙秘権も保障されない関係者にとっては憲法上の重大な人権侵害といわなければならない。

 一方、2002年7月の事故調査報告書には、ICAO(国際民間航空機関)に対するACAS(航空機衝突防止装置)運用に係る「安全勧告」も盛り込まれた。これとほぼ同時期には、ドイツのユーベリンゲンでバシキール航空機とDHL航空機が日航907便事故と酷似した状況下で空中衝突事故が発生している。
 こうしたことから見ても、今回の日航907便事故の根本原因は、衝突回避のための機器であるACASの作動条件とヒューマンファクターも含めたその運用方法との間に極めて深刻な齟齬があったことや、事故後、航空当局が行った30項目の改善にみられるように脆弱な管制業務実施体制にあり、関係した航空管制官のヒューマンエラーは、事故に至るまでの事象の一部というべきである。

 全運輸労働組合は、航空当局の対応の不備や内在していたACAS運用方式の不備、航空管制官による回避指示があったこと等を考慮せず、すべてを航空管制官個人の責任として刑事罰を問おうとする東京地方検察庁の処分に対し、厳重に抗議する。
 また、真の事故原因の究明と再発防止のための航空事故調査体制の確立と航空の安全確保、起訴された組合員の雇用と身分を守るために断固としてたたかうことを表明する。 

2004年 3月30日

運輸労働組合
  中央執行委員会

 

 

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