ZEN-UN-YU 全運輸労働組合


2002年7月12日 

日航907便事故の事故調査最終報告の
発表にあたっての声明

 本日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会より、2001年1月31日に発生した日本航空907便と同958便に係る航空事故調査の「最終報告」、「勧告」、「建議」等が行われた。 

 全運輸はこれまで、再発防止にむけた最大の課題は、事故につながる事象の連鎖を断ち切ることであり、そのためには様々な角度からの対策が必要という観点から、具体的には警告装置の精度向上、ヒューマンエラーに対する徹底研究に加え、狭隘かつ複雑な管制空域の改善等を強く訴えるとともに、本年1月17日に開催された事故調査委員会の意見聴取会においては、再発防止に関する考え方およびその内容に補足すべき点を主張したところである。

 しかし、「最終報告書」においては、ニアミスの発生頻度の高い空域・航空路の現状や三宅島の噴火による航空交通流への影響、またそうした背景と事故との関連については触れられておらず、加えて、事故への影響という観点からの航空管制官の業務・労働環境の分析についても触れられていない。
 これは、ヒューマン・エラーに対する幅広い調査・分析という観点から考えると不十分であり、「勧告」、「建議」にも盛り込まれなかったことは、再発防止の観点からも残念といわざるを得ない。

 一方、18項目の「勧告」及び12項目の「建議」、「国際民間航空機関への安全勧告」が行われたことは、事故発生のメカニズムが多くの事象の連鎖によるものであることを物語っており、単一のミスや失念だけが事故の要因ではないことの証明でもある。

 また「建議」に関しては、具体性に欠ける部分も見られるが、「航空管制業務における航空交通の状況認識」として、「この様な事態はヒューマン・エラーにより引き起こされるものであり、常に起こりうる問題として万全の対策を講じておくことが必要である」と述べている点は極めて重要な指摘である。

 これは、航空管制に特化されるものではないが、再発防止の観点からは、潜在的事象、または顕在化しているにもかかわらず、見落とされている事象に対しても研究が必要であることを示しており、今後もたゆみない再発防止策の検討が必要である。

 全運輸は、当局が「勧告」、「建議」等に示された指摘を真摯に受け止め、事故の背景となった過密化する空域や管制官の業務・労働環境に対して、ヒューマンファクターを観点としたより具体的な対策を早急に講ずることを要求するとともに、今後も幅広く再発防止のとりくみを続けていくものである。

2002年7月12日
全運輸労働組合


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