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機関紙「全運輸」1月5日(892号)

運輸共闘
共同デスク

新 春
雄飛


 機関紙「全運輸」は今年も全国の仲間の皆さんとともに、雄飛できるよう、より良い紙面をめざします。
 組合員の顔が見える機関紙「全運輸」を今年もよろしくお願いします。「全運輸教宣部一同」

まい話にゃうらがある。小渕首相は「総額二十四兆円の緊急経済対策と四兆円規模の減税」を景気対策の目玉だという。しかし、特別減税の打ち切りで年収八六二万以下の国民は、昨年に比べて実質増税だ。緊急経済対策のなかで、家計消費を直接温めるのは、あの評判の悪いこどもだましの「地域振興券」(商品券)だけ。世論調査で、八割の国民が景気回復に効果を発揮せずと回答。大多数の国民は消費税を三%に戻せと求めている。

ぎまがいの自民党政府のやり方に国民の怒りは頂点だ。参議院選挙で自民党を惨敗に追い込み、小渕内閣の支持率も二〇%割れ。
 しかし、民意を無視して政権維持のために党首を「悪魔」とよんでいた自由党と自・自連立。ねらいは、新ガイドラインを軸にした軍事大国化路線と大企業のための「財政構造改革」「行政改革・規制緩和」だ。財政構造改革の目的は、社会保障費や文教費を削り、大企業の税負担を大幅に削減することにある。

ょうせい改革・規制緩和のねらいも中小零細企業や労働者・国民に対する国の保護をなくし、その関連する行政のスリム化・切捨てで「小さな政府」をつくり、大企業にとって「ムダな財政支出を削減する」ことにある。交通運輸行政の切捨てとゼネコン奉仕の巨大利権官庁「国土交通省」、福祉・労働保護行政縮小の「労働福祉省」、通産省や農林水産省の中小企業保護行政縮小は、規制緩和政策による行政スリム化計画そのものだ。

金・医療改悪阻止や消費税減税など国民的課題実現と「行革」闘争を最大の柱に九九春闘をたたかおう。二十一世紀を目前にし、国民生活犠牲のうえに大企業の利益を最優先する政治を許すのか、それとも労働者・国民のくらしと雇用をまもり消費大不況を克服する政治に転換するのかがするどく問われている。ヨーロッパではすでに労働者・国民の反撃が始まっている。今度は日本の労働者の出番だ。勝利にむけて、いま「雄飛」のとき。



21世紀にむけて始動
日本のすみずみまで奮闘する
運輸共闘のなかまたち

ある日の会話−−全気象帯広分会

 全国のみなさん、新年あけましておめでとうございます。
 新年ですから、明るい話題を報告したいのですが、厳しい情勢ですので「職場の雑談ウォッチング」を紹介して帯広分会からの報告にしたいと思います。
 帯広分会の昼休みの四名による雑談です。
A「Bさん昨日の組合ブロック会議で、なにかいい話あったかい?」
B「ある訳ないだろう…二〇一〇年までに二〇%定員減だよ!…五人に一人はクビだよ!…クビ!」
A「Bさんは優秀だから心配ないですよ!」
B「イヤー僕みたいな四〇歳前後が一番危ないと思うよ。だって一〇年たったら五〇歳だぜ。測候所は廃止でいくところはないし、地台は二シート化で地獄だぞ!ポストも少なく若い奴にはあおられるし給料が高くなっているからなおさら四〇歳くらいがやばいと思うよ。その点Cさんは後一〇年で退職だから早期勧奨退職だな!」
C「おいおい、俺のクビを切るなよ!俺は二回目だぞ!」
D「Cさんは慣れているからいいでしょう!」
C「おいおい、クビ切りの体験はみんなで一回づつ、平等にしないと!」
D「冗談ですよ!僕もあと三〇年は大丈夫なのかなー?」
B「拓銀でもつぶれる世の中だからなー。一〇年前に拓銀がつぶれるって誰が予想した?三〇年後なんてますます予想は無理だよ!」
A「俺もここに採用された頃は、まず定年までは大丈夫とおもっていたけど…」
…沈黙…
B「どうにも頑張らなきゃ」
D「なにを?」
B「いろいろだよ!」
A「そうだね、いろいろだね」
C「では早速、帯広でできることからはじめるか!」
全員「よーしがんばるぞ!」
 とのことで、帯広分会も大変ですが、この一年間小さな議論を積み重ねて、大きな運動にしたいと思います。
 みなさん、ともに頑張りましょう。

業務に自信と誇り−−全運輸羽田航空支部羽田分会

 私は羽田空港で働く者です。
 私たちの職場は、昨今の新聞でお馴染みの「航空管制のメンテナンス部門」に恐らく該当する職場で、今般の行革問題のなかでは特に波にさらされています。それだけに職場は、関連する新聞報道に対し、情報としては敏感です。
 また、様々に行われる職場討議も、最近はみんな真剣です。
 しかし、だからどうということでもなく、どちらかというと静かな眼で、報道を見守っているといったところでしょうか。未確定な情報に奔走する暇は、私たちにはありません。
 私たちが取り扱っているデリケートな機器の多くは、動作環境に国際的な標準値が決められています。これを最低スペックとして守らなければならないこととなっていますが、これらの基準が非常に精密であり、「正常」を保持するための努力を持ち場持ち場でしていかなければなりません。
 私たちの職場は、一層団結を強めながら、今現在の航空の安全を守っています。

2シート化・行革阻止気事拡運動の発展へ

 一二月二一日、和歌山分会は和歌山県国公に結集して行革キャラバン行動をおこないました。この行動では、各単組ごとに地本や地協からオルグに来ていただき、「昼休みに国民犠牲の行革に反対する決起集会」を開催しました。また、各幹事は他単組に訪問し、自分の職場の実態等を紹介しました(全気象は全司法に、全法務が全気象に)。
 午後からは、自治体要請と宣伝行動をおこない、自治体要請では県をはじめ、県北部の市町村を時間の許す限り要請し、宣伝行動では宣伝カーでコースをまわりました。
 夕刻には、さらに動員数を増やし、JR和歌山駅前、南海和歌山市駅前に分かれて街頭宣伝行動(全気象は南海和歌山市駅前)をおこないました。
 現在、和歌山分会では、当局が一月五日から強行しようとしている昼夜二シート化試行に対し、分会員全員一致して阻止しようと奮闘している真最中です。この団結力で二シート化を阻止し、橋本「行革」阻止にむけ、気事拡運動を大きく発展させ目標を達成していきます。
 余談ですが、九八年は和歌山ではヒ素入りカレー事件、和歌山市長汚職採用事件など、悪いニュースで全国的に有名になりましたが、今年は良いニュースが和歌山からたくさんでることを願っています。
 最後に、今年も全国のみなさんと団結し、奮闘していく決意です。ともにがんばりましょう。

生命・財産を守る堤防−−全港建釜石港支部

 釜石港支部は、久慈港・宮古港・釜石港・大船渡港の四つの港湾の整備を行っていますが、三陸沿岸地域の宿命である津波災害から地域住民の生命・財産を守るために、湾口防波堤の建設が釜石港及び久慈港において進められています。
 湾口防波堤は、総事業費一〇〇〇億円を超える大プロジェクトであり、その目的は一企業の利益ではなく地域全体の経済の発展と生活の質の向上を図ることにあります。したがって防災などの長期的な視点にたち計画的に整備を進めていくことが必要であることから、地元からの要請により直轄で整備を行っているものです。
 釜石湾口防波堤の整備は、現在七〇%まで進捗し、市民からは一刻も早い防波堤完成を望む声が聞こえてきます。
 最近「地方分権」の推進に係わり公共事業の中で、直轄事業体制の見直し論議が進められていますが、地方自治体においては、権限を移譲されても十分な社会基盤整備を行うだけの財政基盤を持っている所はなく、かえって地域間の格差が広がるだけではないかと思います。  当地の宮古市長も地方分権の議論に対して、その中央中心の論理に意見を提言しており、文面には直轄に対する強い期待が現れています。
 公共事業に対する風当たりが厳しい昨今ですが直轄事業に誇りを持ち、地域に根ざした港湾づくりを目指して、今後も一層奮闘努力します。

住民の足を守る−−全運輸四国支部宇和島分会

 宇和島分会のあります宇和島市は、愛媛県の南西に位置し、伊達氏十万石の城下町です。さて、南予と呼ばれる当地区の沿岸部を特徴づけるものは、何と言っても典型的なリアス式海岸です。
 この地形は、良港をもたらし、豊かな水産資源を育み、多くの磯が釣り客を呼び寄せますが、いざ交通という面から見ますとなかなかに難儀するものがあります。まず陸上からでは、山と海の間にへばりつくように蛇行しながら走る一車線の道か、山の尾根伝いに走る主道から各集落に枝分かれした道が通じるというようになっており、どちらを選んでもかかる時間と労力は大変なものです。また、海上の方も船との関わりが深い環境にあるとはいえ、誰でも気軽に自前の交通手段として使えるというものでもありません。このような厳しい環境下でも、様々な交通手段が住民の足を守っていますが、経済効率最優先のニセ「行革」・「不採算」の名の下に真っ先に切り捨てられかねません。技官二名、事務官六名の小世帯ながら分会一同ニセ「行革」打開に向けて奮闘しております。

小さくても大きな団結−−全運輸中国支部鳥取陸運分会

 私たちの職場「鳥取陸運支局」は、鳥取県の東部に位置し、鳥取県内の自動車の検査・登録・輸送業務を総勢二十二名で行なっています。
 鳥取県は、ご存知のとおり日本の中で一番小さな県で人口も少ないことから、自動車の保有台数も全国で最小となっています。というわけで、登録件数・検査件数も取扱が多い支局等と比べれば雲泥の差があるかとは思いますが、職員が一丸となって頑張っています。
 そんな中、中央省庁等改革基本法が成立し、検査業務の独立行政法人化が検討されています。本当に検査業務は国が実施しなくて大丈夫なのか、独立行政法人になった場合の身分はどうなるのかといった不安と危機感が職場の中に広がっています。国土交通省になることはもう決定されてしまいましたが、何とか私たちにとって不利な状況にならないように団結していきたいものです。
 さて、鳥取県の観光地と言えば鳥取砂丘・大山、特産物はらっきょう・大栄すいか・二十世紀なし・松葉がに等があり、なかなかいい所です。支局の近くにお出での際は是非お立ちよりください。

南の孤島で奮闘します!−−全気象南大東分会

 南大東島地方気象台は、沖縄本島の東約三六〇Km、鹿児島の南約六〇〇Kmの海原にある孤島です。
 六級地指定の離島で、職員は三二名、独身や単身赴任がほとんどです。
 島(村)の人口は約一、五〇〇名、主要産業がサトキビで製糖時期(一二月から三月)には、季節労働者(農業)が応援に来ますので、その分やや人口が増えます。
 さて、長引く不況のもとでの賃金の抑制とリストラや人減らし「合理化」の嵐による雇用不安の拡大に加えて、医療費などの国民負担増と国民生活状態は、きわめて深刻なものになっています。
 今のところ、気象庁のエージェーンシー化が見送られたようにみえますが、そうではなく、決して油断はできません。
 気象事業についても、いま私たちが手をこまねいていたのでは、気象庁の将来は暗いものになってしまいます。
 いま、私たちは、「国民とともに歩む気象事業」とは何かをもう一度考え、現在とりくんでいる「気象事業整備拡充運動」を大きく発展させなければなりません。
 九九年が、私たち国公労働者の要求実現、行革阻止での飛躍の年となるよう、遠く南の孤島で奮闘する決意です。
 ともに頑張りましょう。

道は開けると信じる−−全港建志布志港支部

 全港建志布志港支部の職場は、九州の南端、鹿児島県志布志町(人口一九、〇〇〇人)で港湾の建設を行っている事務所です。職員は二〇名(組合員は一五名)という小さな職場です。
 しかし、「行革」攻撃は、この小さな町にも遠慮なく襲ってきます。九七年の十二月には、町にあった国立病院が経営移譲され、国の機関としては姿を消しました。
 地元では、港湾に対する期待は大きく、建設業をはじめ多くの方が港で働いています。
 私たちも日頃の業務に励むだけでなく、組合の運動として、良質な港湾整備の必要性や、様々な「行革」が国民への攻撃であり、「民間委託」や「独立行政法人化」では、行政サービスの向上ははかれないことなど訴えてきました。
 これまで支部では「行革闘争」として、議会要請や全組合員が参加してのビラ配りなどを行って来ました。今年も署名を中心に、「全員参加」と「地域密着型」の運動を展開していきたいと考えています。
 全国の仲間のみなさん。厳しい情勢のなか、予期せぬ展開が隠れているかもしれませんが、たたかうことで道は開けると信じています。私たちもみなさんとともに頑張る決意です。



'99妻の主張 仕事も大事だけれど
早く帰ってきてね

 運輸共闘共同デスクでは新年号の企画として、ご家庭奥様アンケートを実施しました。集約したアンケート(64名分)からは、昨年の消費税の引き上げ、医療費負担の引き上げで、公務員の家計は大変な状況であることが、浮き彫りとなりました。また、「職場と旦那さんに一言」では、叱咤激励の本音がポロリ。
 アンケートにご協力してくださったみなさん、本当にありがとうございました。この結果は、春闘期にむけた職場討議に、大いに利用させていただきます。

家計は火の車「苦しい」が80%を超える

 まず、現在の家計の状況についての問いでは、「やや苦しい」が五四%、「かなり苦しい」が二七%とあわせて八一%が「苦しい」とこたえています。一方、「まあまあだ」「やや余裕がある」はあわせても18%、「余裕がある」と回答した人はいませんでした。収入構造別でみると、「旦那さんの収入のみ」もしくは「共働き(奥さんのパート収入)」では、八四%の人が「苦しい」と答えています。

不安を抱えながら暮らす家庭の不安がクッキリと

 日常の生活で不安に感じることの問いでは、「老後の心配」22%、「どこをむいているのかわからない政治16%、「行革・省庁再編」15%、「子どもの将来」11%。「日米ガイドラインなどきな臭い動き」9%となっています。
 政治不信が広がりで、自分や子どもの将来、加えて、夫の職場が行革でどうなるのかなど、たくさんの不安を抱えながら、日々の暮らしを送っている家庭の姿が見てとれます。これは「特に不安はない」と答えた人はゼロという結果にも示されています。

最大の要因は消費税の値上げだった

 家計が、「苦しい」と答えた人に対して、家計圧迫の原因と、「まあまあ」ないし「余裕がある」と答えた人に対して、家計への将来の不安という問いをそれぞれおこないました。
 結果は、「苦しい」と答えた人について、最大家計圧迫の要因は、「消費税の五%値上げ」で29%、続いて「旦那さんの賃金が上がらない」20%、「医療費負担の増」と「教育費の増」を同率の18%となっています。一方「まあまあ」ないし「余裕がある」と答えた人の家計への将来の不安のトップは「育児・教育費の負担増」で34%、「消費税の税率引き上げ」は23%で、2番目となっています。3番目に「物価上昇に追いつかない賃上げ」が15%となっています。
「いますぐになんとかしてほしい」ことの一番は、「消費税の廃止・税率の引き下げ」31%で、続いて「育児・教育費への公的補助創設」19%、「大幅賃上げ」18%、「年金掛金の引き上げなど制度改悪阻止」17%となっています。消費税の引き下げ、廃止を求める圧倒的な国民世論と、アンケート結果は合致しています。

最後に

 今回のアンケートは、妻の目から見た「家計の実態」にポイントを絞って声を集めました。
 それにもまして、重要だったのが「職場への一言」と「旦那さんへの一言」でした。「職場への一言」には「残業が多すぎ」とか「早く帰してほしい」などといった声が多く出され、「旦那さんへの一言」にも「早く帰ってきて」とか「休みの日に仕事にいかないで」など、長時間勤務や休日出勤への不満が明らかにされています。
 同時に「体が資本、体を大事に」「飲み過ぎないでね」など、健康を気遣う声もたくさん出されています。集められたのは六四人の声ですが、全部の家庭の共通の声だと思います。



行政改革 青年も、真正面から受け止めて

 数合わせの行政改革 若い力でたたかおう! 運輸共闘の青年と民間の仲間が対談 

 一一月二〇日に中央省庁等改革推進本部が、中央省庁等改革基本法に基づき、九九年四月頃を目処として、内閣法、国家行政組織法、各省庁等設置法などの立案、国の行政組織の減量・効率化などの基本的計画をすすめる、「中央省庁等改革にかかる大綱(事務局原案)」を決定しました。
 このように、行政改革をめぐる情勢が、急速に展開していくなかで、運輸共闘デスクでは、新春特別企画として、各単組(全運輸、全港建、全気象)から男女各一名の青年と、民間の青年労働者二名を加えた八名に集まっていただき、職場での日頃の不満や悩み、行政改革、とりわけ独立行政法人化についてどのように感じているかを、ざっくばらんに話をしていただきました。

参加者の紹介
 運輸共闘の仲間 
中嶋 裕樹さん全運輸羽田航空支部
金城 孝枝さん全運輸管制支部
井上 利彦さん全港建京浜港支部
志茂  香さん全港建京浜港支部
佐田 拓也さん全気象東京地本
筒井さやかさん全気象東京地本
 民間の仲間 
上野  力さん国鉄労働組合
竹内  一さん全国港湾
 ご意見番 
津田 久則さん国公労連行革対策部
 司 会 
平田喜久男さん全港建書記次長
 

それぞれの職場を知ろう

 【司会】みなさんこんにちは、今日お集まりいただいたのは、運輸共闘(全運輸、全港建、全気象)が毎年新年に発行する共闘デスクの目玉企画として、青年を中心にした対談をおこなおうというものです。
 今回のテーマは、「労働組合は、こうあるべきだ」とか「こうでなければならない」といった堅い話を抜きにして、職場での悩みや不満をざっくばらんに話し合ってもらおうというものです。
 紹介が遅れましたが、今回、司会を務めます全港建の平田ともうします。
 また、ご意見番として国公労連の行革対策部から津田さんにも参加してもらいました。
 まずは、簡単にそれぞれの自己紹介をしたいと思いますが、最初に私から、全港建書記次長の平田です。神戸港の建設整備の職場です。阪神大震災後の港の復興とともにいまの公共事業のあり方などに納得がいかないところがありましたので、労働組合の専従になりました。
【津田】国公労連の津田です。出身は、全建労で、公共事業担当の職場です。嘉瀬川ダム工事事務所にいて大きなダムを造っていましたが、「無駄な公共事業」と批判の的でした。
【竹内】全国港湾の神戸から来ました竹内です。貨物の荷役作業をやっています。震災後、施設面では復旧していますが、まだまだ大変な事情を抱えています。
【上野】国鉄労働組合の上野です。JR東海で働いていて静岡から来ました。仕事は、新幹線の電力の指令として新幹線の電気の流れを見ています。
【中嶋】全運輸の羽田航空支部の中島です。空港保安課にいます。羽田にしかなく、VIPの対応をしています。行革については、これまで関心がなかったが、この対談をいい機会に勉強したいと思います。
【金城】全運輸航空管制支部の金城です。所沢の管制部に一〇月一日に転勤してきたばかりなので、全然周りが見えていません。管制官にフライトに必要な情報を提供する情報官をやっています。
【志茂】全港建京浜港支部の志茂です。予算要求の担当で、次年度の工事の予算要求額を決めています。今年四月に入ったばかりで、組合運動の経験もないのでとても緊張しています。
【井上】全港建京浜港支部の井上です。港をつくる仕事で会計を担当しています。行革は、自分が国家公務員である以上、関係あることなので、今日の対談で少しでもわかればいいなと思います。
【佐田】全気象東京地本の佐田です。通信にいて全国から送られる気象データを中継する業務に就いています。このような対談は始めてで、みなさんの活発な意見が聞けたらいいなと思っています。
【筒井】全気象東京地本の筒井です。気象庁の図書館で本の受け入れや気象庁発行の本の発送をおこなっています。今日は、行革の話というより社会勉強ができればいいなと思います。

仕事(職場)に対する不満!?

【司会】仕事に対するやりがいや不満があると思いますが、具体的にどうですか?
【竹内】肉体労働で、荷物の量によっては徹夜というときもあり、労働条件からいえばかなり厳しいところです。仲間意識が強いので、みんなで助け合ってどうにかやってこれています。
【佐田】気象庁といえば天気予報というイメージがあると思いますが、予報がはずれた場合、様々な苦情が寄せられます。
 いまは、コンピューターで過去三〇年の経験から、数値的にデータをはじき出し、その結果を予報官が判断して天気予報を出していますが、数値的なものが全面にでていて、予報官の知識や経験が形骸化してきています。
【上野】もとは電気の技術屋で、専門は新幹線のパンタグラフが擦る電線の工事や保守でした。
 いまの指令というところには九名の職員がいますが、うち六名が助役の管理職で、二名が非組合員の主任、私一人が国労です。出身職場には仲間がいますが私の影響力が大きいため、絶対に元の職場には戻しません。
 最初の五年は、一切仕事を与えてくれなく、電話も取り次いでもらえませんでした。しかし、組合を続けてきたおかげで、仕事や組合関係での仲間を増やすことができました。
【中嶋】職場では、団塊の世代が固まっていて、そういう先輩方が若い人たちに仕事を振ってきますし、若い人が仕事を多くしなければならないという雰囲気があります。年齢構成でアンバランスな面があり、極端に若い人が少ないです。

民営化では権利もない

【上野】分割・民営化前に八名一グループだったが四名まで削られました。削るところはどんどん削ってしまっています。
【筒井】女性の方はいないのですか。
【上野】女性の方は元々少ない職場です。駅などには事務職や看護婦の方がいたんですけど、みんなやめさせられたり、北海道や九州ではクビを切られて、いま裁判で闘っています。
 最近は、女性の方を採用してきています。よく新幹線のなかや窓口で見かけると思いますが、みんな最近の採用なんです。今度、女子保護規定も撤廃になるので彼女たちも夜勤の対象となります。そのために女性用仮眠室をつくっていますが、まだ人数が少ないのでトイレなども少なく問題が多いです。一方、会社側は、絶対に生理休暇を認めません。
 静岡駅に三〇歳の女性の助役がいて、その旦那さんもJR職員ですが、子供ができたんですよ。つわりがひどくなって休んだりしたんですけど、職場の上司から嫌がらせがあって、次に旦那さんへの嫌がらせもあったんですよ。この旦那さんは、公務員でいう「キャリア」でしたんで、今後の道に影響があるような言い方をされて、この女性は好きで入った仕事を辞めざるを得なくなりました。
 JRの会社側は、女性を二〇歳ぐらいに雇って、二八までに片付いてもらえばいいと考えています。そうすれば、低賃金で若い人を雇えると思っているんですよ。

行革の教訓はこれだ!!

【筒井】気象庁は、利益が得られないと思いますので、民営化という話にはならないと思います。
【佐田】いま、気象予報士制度があって、気象予報士の資格がある人が気象庁の許可を得て、予報を出して収入を得ていますけど、それはごく一部の話であって、気象庁が民営化になって、いまの民間と同じように有料にしますと、国民がどう思うか。
【筒井】気象庁の技術もかなりすすんでいます。
【佐田】気象データは、ただでもらえるものとみなさんが思っていますが、防災の面でも、有料化にしたらとんでもないことです。いま、エージェンシー化がささやかれています。気象庁のなかで、気象衛星業務というのがありますが、気象衛星センターが清瀬にあって、新聞報道では、そこが独立行政法人化という話がでています。
【筒井】みなさんこういう所があることを知らないんですよね。気がつかないところでそういう話がでています。かなりヤバイ状況です。
【上野】国鉄が分割民営化されるときにまずなにをやられたかというと国民との切り離しをやるんです。元々夏休みがなかったので、組合で勝ち取り、慣行として休んでいたことを新聞報道で「ヤミ休暇」などとたたかれ、国民と分断されました。その攻撃がはじまる前まで、天下の国鉄が民営化になるわけないと思っていました。みなさんのなかには「行革ってなに?」という感覚の人もいると思いますが、僕らも「臨調・行革」のときはそんな調子でした。その攻撃が一気に流れ込んで、分割・民営化になり、その後は、人が削られ、儲からないところは切り捨てられました。
 僕らはそういうところを追求して闘ってきたんですが、弱かった面は、思っていることを国民に伝えられなかったことや、マスコミの攻撃が強すぎたこと。
【津田】国民サービスという点で、サービスに金をかけていいのかどうか。港湾にしろ空港にしろサービスという点でどこまで国民が共用できるのかとかは、税金で賄っていくのがこれまでのシステムだったはずと思いますが。
【竹内】港湾は、みんな中小企業なんです。昔は、安いお金で仕事ができました。当時は、認可料金もないので、荷役料金の競争が起こって労働者の賃金のピンハネにつながりました。それではいけないということで港湾の事業法ができてきました。今回の行革で規制緩和が港湾にくると労働者に不利益につながると思います。
【中嶋】職場の先輩方と話したことがあるんですが、僕自身、安易に考えていて、「給料が上がるんじゃないのか」とか「全国規模の転勤がなくなるのでは」と考えたのですが、そのとき先輩に「なに考えているんだ」と怒られまして、「もっと勉強しろ」といわれました。
【佐田】毎年削減されていますし、三分の一以上は現場で二四時間頑張っています。その中で、機械化されたところは人が削られています。やはり、精神的にもつらいところがあります。いまの状態でもきびしいのに、行革でエージェンシー化になったらどうなるのか。
【金城】いまの行革のなかを見ていると、ただの数あわせをしているのかなと思うんです。飛行場を転々としてきたんですが、一歩間違えばかなり大きな事故になるというのがあるんです。航空サービスというのは、安全面から絶対に譲れないところがあるんです。それをふまえて中身を検討していれば行革は賛成ですが、仕事の細部まで議論しているのかどうかが疑問です。
【井上】港湾は行革をやるところがどこにあるんだというぐらいやり尽くしています。港ができたら、国から、県などに渡して、管理は地方自治体でやっています。また新たに港をつくることはできないと思います。国土交通省の話がありますが、建設省に従ってやっている部分がありますので、かなりきびしいものになり、どう生き残るのかわかりません。
【志茂】存在価値を考えた場合、私たちしかできないことを考えるとかなり不安であり、これから行革がすすむと、どのようにかわるのかわかりません。
【竹内】港湾でも貨物の変化に応じて合理化がされてきましたが、行革の議論も早い話、合理化だと思います。その中で、末端の労働者が痛みを被るのだと思います。

国民の立場で考えた運動を

【司会】この国をどうしようと考えていると思いますか。なにが原因でこうなったと思いますか。
【津田】どうしようとしていることだけでいけば、小渕首相の公務員二〇%削減につきると思いますが、「仕事をどうする」とか「国がこれをやらなくてはいけない」といった、うまい仕訳ができているわけではない。気象業務を考えてもそうではないことがわかる。
【司会】国鉄でなにをしてきたかを見ればよくわかると思います。
【上野】僕らだってクビを切られないと思っていました。公労法のもとに採用された公共企業体の職員で、準公務員という扱いでした。ストライキ権もなければ公務員のみなさんと全く同じ立場でやっていたにもかかわらず、クビを大量に切られました。いまの日本の国は、行き詰まってくると「改革」という言葉で国民の目をだまして、公務員を削減すれば公務員の給料は税金から払っているのですから、国民の高い税金が何とかなるとだましてきました。こうした方が国民には、わかりやすい。こうしたことが、国鉄にもあって、三〇万人いた職員のうち一〇万人がクビを切られて放り出された。現場の最先端で働いた仲間が行革で泣かされてきましたし、もっときびしくなっているのは、国民だと思います。
【司会】津田さん最後に青年に一言あればどうぞ
【津田】あんまりクビ切りといって脅かしてもしょうがありませんが、そこは心配でしょうから、もっと勉強してもらって、自分たちの仕事にも誇りを持ってもらって、「ビラ配りや署名も役に立つのかな」と是非これから走り出してほしいです。
 今日来てもらった民間の二人から、国民に知らせなければいけないことがいろいろ求められているんだということを例を出しながら教えてもらいましたんで、確信になったんではないかと思います。
 今年も「行革闘争」ということでビラもいっぱい職場に行くと思いますし、署名も三〇〇万という大きな目標を掲げています。組合運動に背を向けている若い人もいると思いますが、真っ正面から受け止めて、考えて行動してほしいです。
 そのためにも今日集まったみなさんが職場や地域でがんばってもらうことが必要です。
【司会】今日は非常に長い時間、おぼつかない司会のもと、不完全燃焼だったかと思いますが、大変お疲れさまでした。




新春インタビュー

とにかく走ってます 俳優 岸谷 五郎さん

 なぜか走るシーンが多い岸谷さん。崔洋一監督とのコンビでヒットした「月はどっちに出ている」(93)「犬、走る DOG RACE」(98)でもしっかり走りました。「走ると勢いがでるんですかね。僕の作品には欠かせないですよ」
 昨年秋放映されたTV連続ドラマ「なにさまっ!」(TBS)では、元マラソン選手という役。自分でカメラを持って、走っている自分の足を撮ったりもしました。
 でも、岸谷五朗の走る姿は、一定のテンポで淡々と走るマラソン選手のそれとは別。どこまで走るのか分からないが、いつも全力疾走。心臓の鼓動や息づかいが画面から聞こえてきそうな勢いが魅力です。
 大学を中退して踏み出した役者人生もつねに走り続けてきました。「舞台をずっとやってきましたから、その当時のことを考えると、さぞかし貧乏だったと思うんだけど、それはそれとして楽しかった。きっと挫折したり、落ち込むタイプじゃないんです」といつも前向きです。
 コミカルなタッチからシリアスな役までをこなす実力派。何も考えずに役作りに入ることで、「頭の中は(その役に)占領されてしまう」そうです。
 ビールのコマーシャルに出ているからというわけではないのでしょうが、趣味は酒。「とことん飲むほうで、ゴールデン街(東京・新宿)あたりでやっています」



 きしたに・ごろう 六四年東京生まれ。三宅裕司の劇団スーパー・エキセントリック・シアターなどを経て独立。九三年の映画「月はどっちに出ている」で映画賞新人賞を総ナメに。テレビ、ラジオ、CM、舞台、映画と幅広い分野で活躍中。