TOPへ

目次へ戻る

機関紙「全運輸」8月20日(884号)


全運輸は、98年9月14日から16日まで第37回定期大会を磐梯熱海で開催します。
この大会で議論される運動方針案のポイントをさぐってみました。

自民党政治ノーの画期的な情勢変化

 九八春闘の賃上げ結果は、過去最低という厳しいものでした。
 しかし、全労連は、労働基準法改悪阻止・「働くルール」の確立、医療・年金改悪阻止をはじめとする国民的な要求の前進をめざして「総対話と共同」をすすめました。とりわけ、全国一万カ所以上での「二・二六地域総行動」や一二万人を結集した「三・八大集会」の成功は、今後のたたかいの展望を切りひらく手がかりをつくりだしました。
 七月の参議院選挙では、自民党惨敗、民主・共産両党の躍進という結果になり、橋本内閣を退陣させました。これは、橋本六大改革ノーの審判であると同時に、戦後自民党政治そのものに対するノーの審判でもあります。
 情勢は、まさに自民党政治そのものを終焉させ、平和で豊かな二十一世紀への可能性にみちた画期的変化が生まれているといえます。
 こうした情勢の変化に確信をもって、「総対話と共同」を飛躍的に前進させて、世直し運動をすすめなければなりません。

新段階を迎えた省庁再編・公務リストラ攻撃

 公務員労働者にとってのこの一年は、行政改革会議の最終報告と「中央省庁等改革基本法」(行革基本法)の成立など、省庁再編・公務リストラ攻撃が新たな段階を迎えた一年でした。
 橋本内閣は、二月、「内閣機能の強化」「一府十二省庁への中央省庁の再編」「規制緩和と民営化、独立行政法人化を軸とする行政の徹底したスリム化」などを柱とする行革基本法を国会に提出しました。
 こうした情勢から、全運輸は国公産別の大運動に結集しつつ、「巨大利権官庁・国土交通省よりも交通省の設置を」を前面に国会請願署名、自治体要請、大量宣伝行動など行革基本法成立阻止・国土交通省反対のたたかいをすすめました。
 残念ながら、行革基本法の成立は許すところとなりましたが、未だ「大わく」が決まったにすぎず、たたかいはこれからが正念場です。自らの雇用と身分を守りきると同時に、国民のための運輸行政機能の切捨てを許さず国土交通省を国民的に検証しなければなりません。
 参院選挙後の有利な情勢を背景に、一万一千人の組合員と家族の生活と権利を守り、国民本位の交通運輸行政確立のたたかいは、今からが本番です。

史上最低の九八人勧、五十五歳昇給停止撤回を

 八月十二日の九八年人事院勧告は、〇・七六%、二、七八五円という史上最低のものでした。この勧告は、単身赴任手当の改善や年間超勤時間の設定(目安)など、要求の一定の反映はあるものの、五十五歳昇給停止や調整手当見直し改悪宣言など問題の多いものです。とりわけ、五十五歳昇給停止措置は、当初提案の「五十三歳延伸・五十五歳停止」から若干譲歩させたとはいえ、改悪の本質を変えるものではありません。
 九八秋闘では、公務リストラ阻止の行革闘争と結んで、勧告の値切り・凍結の動きを警戒しつつ、昇給制度改悪案の撤回と勧告改善部分の早期実施を求める運動をすすめなければなりません。

 小渕内閣が来年度予算の概算要求基準を決めた。景気対策のために、公共事業費を対前年度比で三〇%も増やすというが、本当にこれで景気がよくなるのか▼バブル崩壊後の九二〜九五年にかけて総額六〇兆円を超える公共事業中心の「景気対策」を実施したが、景気は良くならず財政赤字が膨らんだだけだ▼一方で、政府は来年度予算で社会保障費を実質削りこもうとしている。税制でも所得・法人課税の「七兆円の恒久減税」を打ち出したが、国民の九割は増税になる▼大銀行と大手ゼネコンを喜ばし、国民には犠牲を押しつけるやり方で景気が良くなるわけがない。これでは、国民は財布のひもを締め景気を冷やすだけだ▼先の参議院選挙で国民は、このような大企業優先の自民党政治へレッドカードを突きつけ、国民生活に重点をおいた政治の転換を求めた。しかし、小渕内閣は国民の痛みや怒りの声を全く無視している▼こういう政府には、解散・総選挙で再びレッドカードの民意をつきつけなければ。(MI)

HAND IN HAND 世界を平和でつなごう

未来と子どもたちに。平和を守ろう!

 原爆症によって亡くなった四千九百二十七人の名簿が原爆慰霊碑に奉納され、広島の原爆死没者の数は二十万七千四十五人となりました。一瞬にして広島の街が焼け野原と化したあの日から五三年を迎えた広島市で、八月四〜六日、原水爆禁止世界大会が開かれました。
 全運輸では、これに先駆け前日の三日、平和大行進終結集会を開催し、北海道から沖縄まで全地区協から四十四名が結集し、平和行進のとりくみや新ガイドラインに関する報告が出されました。特に、船研支部による平和研究所宣言活動では、職場で定着しているものの、来年の十周年では、改めて賛同署名にとりくむことが報告されました。

世界から七千八百人が参加

 世界大会には、インド、パキスタンを含め、二十カ国から海外代表を迎え、インド、パキスタンの核実験によって新たな核軍備競争と核戦争の危険が作りだされ、その根底に特定の国に核兵器独占体制があることが一層浮き彫りになっていること、核兵器廃絶以外に人類のとるべき道はないことを確かめあいました。
 また、新ガイドラインとその立法化の危険性を広くアピールすることと同時に、港湾・空港の軍事利用反対、「非核神戸方式」の核大をめざすとりくみなどを意思統一しました。さらに、広島・長崎の被爆の実相と核実験被害の実態を世界に知らせることが、核兵器廃絶をめざすうえで欠かせない課題であることを認識しました。

核兵器のない二十一世紀を

 核兵器は開発段階からその非人道性を指摘されており、まさに「悲惨」という言葉があてはまります。
 二十一世紀を担う子どもたちに青い空を残すため、いま何をしなければならないのか、大人たちは真剣に考えるべきなのと同時に、職場から平和について考える時期にきています。


98人勧速報 公務員労働者の労働条件を守れ

責任放棄の人事院

 人事院は、今人勧において史上最低のベア勧告を行うとともに、九八夏闘の最大の争点となった早期立ち上がり型給与体系を目的とする昇給制度改悪についても、当初案を若干変更したものの職場の反対にもかかわらず強行しました。

史上最低の不当な水準

 昨年以来、消費税の導入等、財政改革を口実とした「九兆円の国民負担増」で消費が、冷え込んでいま す。
 そういった情勢でたたかわれた九八春闘は、ワースト記録を塗替えるとともに実質賃金マイナス五年連続を記録しました。
 そういった状況を踏まえ人事院は、一般国家公務員の給与を四月に遡り、平均〇・七六%(二、七八五円)引き上げる史上最低の低率勧告を行いました。
 九七年度の消費者物価上昇率は二・〇%であり、実質賃金水準がマイナスとなる極めて不満なものとなりました。

昇給制度改悪を強行

 人事院は、今回、民間企業における能力・業績主義を反映した給与体系を踏まえ、公務職場にも早期立ち上がり型給与体系を確立するため、昇給停止年齢を原則五十五歳(現行五十八歳)に引き下げる勧告を強行しました。
 しかし、今回の改悪は、私たちの粘り強いとりくみにより、当初案の五十三歳昇給延伸を断念させるとともに経過措置の実施を表明させることができ、取り組みの成果といえます。
 今回の措置は、「(1)多くの公務員が定年間際まで昇任等で職責を上げている実態、(2)そうした状況にも係わらず昇給停止を五十五歳とした場合職員の働く士気に大きく影響する、(3)独自の民間調査を実施せず不当にデータを使用している」等、多くの問題をもっており、その意味でも断固許すことのできない改悪です。
 人事院は、文字通りその代償機関としての機能を放棄したものです。
 今後、国会審議、規則制定等においてたたかいを強める必要があります。

級別引き上げ率の最大と最小の格差一・八倍

 官民格差二、七八五円は、本棒に二、二四七円、諸手当に三九五円、はねかえり分に一四三円配分され、手当の改善に重点が置かれています。
 また、本俸の改定にあたっては、中堅層職員の改善を中心に「早期立ち上がりの給与カーブ」の実現を依然図っています。
 行政(1)表での級別引き上げ率の最大と最小の格差は、一・八倍(昨年一・八五倍)となっています。
 二十八歳から三十七歳の各級号俸を最高引き上げ率(一・〇%)とし、五十代の号俸は、〇・四%程度に抑制しています。
 また、枠外問題については、高齢者賃金の抑制配分施策を口実に改善要求に応じませんでした。
 公務の職場実態からすると、四十〜五十に入り管理職となり職務・職責を上げています。また、経済負担が増大する実態を考慮すれば今後、年齢に応じた賃金を保障させるとりくみが重要です。

諸手当の改善

 重点要求してきた扶養手当と単身赴任手当の改善を実施させました。
 扶養手当の改善については、高校生、大学生相当について「教育加算」を五千円(現行四千円)に引き上げました。
 また、単身赴任手当については、基礎額を二、三〇〇〇円(現行二万円)に、加算額をほぼ一・五倍の六千円〜四万五千円(現行四千円から二万九千円)に引き上げました。
 調整手当については、報告で「支給地域及び区分の見直し」について考え方を今秋には提案したいとしています。
 諸手当の改善は、私たちのとりくみの成果です。
 今後も一層の改善に向けとりくみをつよめる必要があります。
 諸手当見直しについては、今後、監視を強める必要があります。

公務制度の改善は不十分

 報告において、U種、V種の幹部登用、早期退職慣行の是正、女性の登用等を述べているものの具体的方策は示されていません。
 「行革」等もあり職員の雇用と労働条件を守るため公務員の利益擁護の意識を人事院にしっかり持たせる必要があります。

人勧要旨

【給与改定】

▽官民給与の格差・配分
一、給与実態調査によると、今年四月の定期昇給分を除く民間の給与は、国家公務員給与を二、七八五円(〇・七六%)上回っている。
一、引き上げ分の内訳は、俸給二、二四七円、諸手当三九五円は、はねかえり分一四三円とする。  
▽改定内容
一、初任給(行一職)は、T種一八四、二〇〇円(現行一八三、二〇〇円)、U種は、一七四、二〇〇円(現行一七三、〇〇〇円)、V種は、一四一、七〇〇円(現行一四〇、七〇〇円)とする。
一、扶養手当は、高校生・大学生等の子がいる場合加算額一人につき五千円(現行四千円)とする。
一、単身赴任手当ては、基礎額二万三千円(現行二万円)加算額六千円〜四万五千円(現行四千円〜二万九千円)とする。
一、宿日直手当は、一般の宿直は、四千円(現行三千八百円)、業務当直最高は、七千円(現行六千八百円)とする。  
▽給与制度の改善
一、職務や個人の能力と実績に応じた給与体系を実現する。
一、高度専門職の処遇の枠組みを検討する。  
▽公務運営の改善
一、弾力的な採用と昇進管理を実施する。
一、早期退職慣行を見直す。
一、超過勤務の軽減を図る。
一、女性の採用・登用を推進する。