安心して働ける職場づくりを
ZEN-UN-YU 全運輸労働組合
 TOPNEWS全運輸とは行政研究全運輸の主張刊行物紹介お答えしますリンク組合員のページ国民平和行進
機関紙「全運輸」

2010年
09月05日
09月20日
(No.1136)

要求で団結し 職場に真の労働組合をつくろう

国民のための行政を確立しよう


■1面 運動方針の理解を深めよう
■2面

地域主権戦略大綱の真意を見極める
 「補完性の原理とは何か?」

24時間働けますか

 


「全運輸」 1面
▲トップインデックスへ

運動方針の理解を深めよう

 9月12日から14日の間、全運輸は第49回定期大会を開催します。この大会では、今期のとりくみを総括するとともに、向こう1年間の運動方針を討議する予定です。
 各職場においては、現在、議案書討議をすすめていることと思いますが、来期のとりくみを組合員一人ひとりが確信をもって実践していくために、討議ポイントとなる議案書の「用語解説」を掲載します。議案書とも見比べながら、今後のとりくみについて理解を深めて下さい。

「地域主権」

 政府は、地域のことは地域に住む住民が決めるとした、「地域主権」を画策しています。
 地方自治は憲法に基づくものであり、必要なことです。しかし、政府がすすめようとしている「地域主権」の本質は、「国の出先機関廃止」をはじめ、国家公務員数の削減を軸にして、国民全体の安全・安心に関わる国の本来の責任を投げ捨て、地域や国民の自己責任を押しつけようとするものです。
 私たちが日々、遂行している交通運輸の安心・安全を守る行政は、国家が国民に保障する最低限度の生活水準(ナショナルミニマム)であり、それを保障するために、国の出先機関が地方で果たす役割は大きいことを職場一丸となって世論に発信していく必要があります。

「総対話MAP運動」

 公務員バッシングや「地域主権改革」による出先機関廃止に反撃するために、国公労連が提起している全国規模のとりくみです。
 具体的には、地方議会や地元国会議員への要請をはじめ、地方議会意見書採択やシンポジウム、行政相談、宣伝行動など、県国公などを中心に各地域で展開していくものです。
 また、運動の目的は、安全・安心をすべての国民に保障するために、国の出先機関は必要不可欠であることを、国民の視点に立って、職場全員参加で国民と対話し、世論を広げていくことです。
 全運輸の各職場でも、この運動を自らの運動として積極的に結集していく必要があります。とりわけ、世論喚起のとりくみとして、自らの仕事を自らの言葉で語っていくことが重要となります。

「交通権」

 移動能力、居住地、日時に関わらず、誰でも公共交通機関を使って自由に移動できる権利を基本的人権の一つとして確立しようとするものです。老人や子ども、障害者など移動制約者を無くすために、交通機関のバリアフリー化や過疎地域の路線バス、離島航路の確保も含まれます。
 交通手段の多様化・高速化・大量化に伴って、生活に密着した地域公共交通のサービス低下・衰退や、道路交通事故、温室効果ガスの排出問題など、多くの問題が深刻化しています。
 国土交通省では、「移動権」という名で、その保障や環境にやさしい交通体系の実現をめざして、交通基本法の制定について検討をすすめていますから、国民的な運動として、「交通権」の考え方のもと、国家行政としての責任・役割も同時に示させる必要があります。

「人事評価制度」

 2007年に改正された国家公務員法に基づき、「新たな人事評価制度」が導入されました。
 この制度は、職員がその職務を遂行するにあたり発揮した能力および挙げた業績を勤務成績として評価し、昇任や昇格、給与に反映しようとするものです。
 民間企業では、90年代から成果主義が導入されてきましたが、高い評価を受けても給料がそれほど上がらず、目立たないながらもまじめに仕事をしていた層のモチベーションを下げる結果が明らかになっており、多くの企業において、上司と部下の日々の会話を大切にするなどの見直しが行われています。
 交通運輸の安全をチームで守る公務の職場に、職員個人の成果を短期的に評価する制度は馴染みません。自らの能力・知識向上などの観点から、上司とのコミュニケーションツールとして活用できる職場作りが重要です。

「労働基本権」

 労働者に憲法上認められている権利で、主に団結権、団体交渉権、団体行動権(争議権)の3権のことをいいます。
 団結権は、労働者が使用者と対等の立場に立って、労働条件などについて交渉するために労働組合を作り加入する権利、団体交渉権は、使用者と交渉して協約をむすぶ権利、団体行動権は、交渉によって使用者に要求を認めさせるため団結してストライキを行う権利です。
 一般職国家公務員は、団結権と団体交渉権のうち交渉する権利は認められていますが、職務の公共性などを理由として、団体交渉権のうち協約を締結する権利と団体行動権は付与されていません。
 このような労働基本権の制約に代わって人事院が給与勧告など代償措置を講じることになっていますが、今年の人事院勧告を見ても、到底、人事院がその役割を果たしているとは思えない異常な状況になっています。

「分限処分」

 身分保障の限界という意味であり、勤務実績が良くない場合や、心身の故障のために職務の遂行に支障がある場合など、その職員の意に反して行われる後任、免職、休職、降給のことをいいます。
 分限免職は、職務上の義務違反について個人の責任を問う懲戒免職と比べて、免職の基準設定が難しいことから、非常に珍しい処分とされています。
 この処分は、国家公務員法第78条に規定されていますが、そのなかでは、「官制もしくは定員の改廃または予算の減少により廃職または過員を生じた場合」にも分限処分ができることになっています。
 本年1月に社会保険庁を廃止して日本年金機構が発足しましたが、社保庁職員525人に対して、この条項が適用され、分限免職が強行されました。
 政府・与党が国家公務員の人件費2割削減を強行しようとしているなか、この分限免職が罷り通れば、私たちの職場に大きな影を落とすことになります。
 そのため、処分を受けた組合員を中心に国公労連が「社保庁不当解雇撤回闘争」を展開しています。公務職場全体への攻撃、あるいは、私たち一人ひとりへの圧力ととらえて、強く反撃していく必要があります。
 いま、職場は言われ無き公務員バッシングや、定員削減の強行などで精神的にも、肉体的にも、ギリギリの状況で仕事に精励していると思いますが、そういう厳しい状況だからこそ、みんなの力をあわせてたたかっていきましょう。

「全運輸」 2面
▲トップインデックスへ

地域主権戦略大綱の真意を見極める

「補完性の原理とは何か?」

 国公労連は、8月19日、国公労連会議室において「補完性の原理とは何か」をテーマに学習会を開催しました。6月には「地域主権戦略大綱」が閣議決定されましたが、今まさに、その真意を暴き、格差と貧困をもたらした「反国民勢力」に対抗していくことが必要となっています。ここでは、講義内容を紹介し、大綱にある「補完性」について、認識を深める一助として頂ければと思います。
 学習会講師は、東京自治問題研究所常務理事の安達智則さん。地方自治の研究畑を長く務め、大学講師も務めるエキスパートです。

「補完性」とは?

 補完性の原理とは「基本的には個人や小規模グループの出来ないことだけを政府がカバーする」という考え方が通説となっているとし、「民間で出来ることは民間で!地域で出来ることは地域で!」を基本に、新自由主義的行政原理が地方自治行政理念の典型となっていることが示されました。ここでは、自助、共助、公助の関係から、行政(公)は直接仕事をするのではなく、コーディネーターに徹するというものです。
 例えば保育園の民営化では、「福祉の低下」「公務労働への攻撃」といった疑問が住民・自治体労働者から出されたと言います。補完性の原理とは、結局、国・自治体の行政責任を回避・低下させるものであり、「安上がりの行政」を大義名分化するものに他ならないというものです。

国の政策では

 国の政策論議の中で「補完性」が示されたのは、新自由主義による構造改革を進める中で、自民党が「2004憲法改正構想」でその考えを明確にしています。「住民に身近な行政は出来る限り基礎自治体に分担させ、国は国としてどうしてもやらなければならない事務に専念する『補完性の原則』の考え方と、裏付けとなる自主財源を基礎自治体に保障していく」とするものです。その点では、現政権にある民主党も新自由主義路線を踏襲していると言えます。地域主権戦略大綱では、「補完性の原則に基づき、住民に身近な行政は出来る限り地方自治体が担い、国は、本来果たすべき役割を重点的に担う」としています。これは、構造改革を進める方針の下、国から自治体への事務委譲を可能とし、管理運営を地域・民間へ委ね、「民間で出来ることは官は行わない」「自分で出来ることは自分で。地域で出来ることは地域で」として、国の役割を縮小させるものです。

真に国民に必要とされていることは?

 新自由主義に基づく「構造改革」に対抗するためには「市民のための市民による行政原理が必要」として、「最も困った人へ、最も美しい施設を」、「憲法25条や請願権の尊重」、「政策(構造改革)の失敗を歴史的に回復する」などをあげ、「平等・憲法に基づく保障・地域と人権の再生」などの行政原理が求められていることが示されました。ここでは、社会保障政策で先進的なデンマークなどに見られる「大きな政府は効率的であること」「構造改革の失敗は民間が埋めてくれるはずがない」という“明確な事例”も引用しています。

まとめ

 今まさに、政治と行政の中で「補完性の原理」が横行し、「協働」と称して住民に働かせる、負担を強いる政策が進められています。「安上がりな行政」が、政府・財界によって引導され格差と貧困が拡大している実態に目を向け、構造改革に対峙する勢力を盛り上げ、運動をすすめていくことが重要になっています。

24時間働けますか

 7月31日、日本乗員組合連絡会議主催によるシンポジウム「いのちII」が品川のTHE GRAND HALLで開催され、猛暑にもかかわらず200名を超える人が集まりました。
 このシンポジウムは、航空安全会議など航空関係の団体に加えて医療従事者の組合である全国医師ユニオンと日本医労連による共催となっており、「命と安全を守り、労働のルールを考える」というテーマで行われました。前半はパイロット、医師及び労働科学研究所所長の佐々木理学博士による基調講演が行われ、後半は看護師や客室乗務員のほか、航空関係の裁判を多く担当されている米倉勉弁士を加えてのパネルディスカッションが行われました。

医療職場の過重労働

 基調講演では、医師の過酷な労働状況について報告が行われました。仮眠なしの深夜勤務に続いて夕方まで日勤をこなし、帰宅しても患者に何かあると病院へ行き、どんなに夜遅くなっても次の日は通常どおり朝から勤務することが多いのだそうです。休日も月に数日しかなく、講演した全国医師ユニオンの植山先生は、「いのちを守る人の命も危ない」と言っておられました。また、変則的に深夜早朝勤務が混在する乗務スケジュールをこなさなければならないパイロットの勤務実態も報告されました。

疲労リスク管理が重要

 これらの事実を佐々木理学博士は非常に危険な状況だと解説しています。「人間は本来、昼間に活動し、夜間は眠るように体内リズムは設計されている」「不十分、不適当な休養は睡眠不足を招き、体内リズムの乱れを引き起こし、これが疲労の基となる」「もし疲労管理策が乏しく非科学的なものであれば、そこで働く労働者は慢性的な疲労状態、睡眠障害となり、ひいてはパフォーマンスの低下により安全性が損なわれる」ということを雇用主側が理解し、科学的知見を取り入れた疲労リスク管理策を確立することがいかに重要であるか強く訴えていました。
 パネルディスカッションでは、日本の客室乗務員が航空法上の航空従事者として位置づけされていないことや、看護師の過労死問題、各職場の勤務実態の問題点が詳しく報告され、早急な対応の必要性がさらに浮き彫りになりました。
 羽田空港が国際化され、昼夜関係なく航空機が運航される日が間もなくやってくる中で、疲労リスク管理の問題は私たち航空管制に携わる職員にとっても決して他人事ではないことを改めて痛感しました。
航空管制支部 清野 敏絵さん

 

TOPNEWS全運輸とは行政研究全運輸の主張刊行物紹介お答えしますリンク組合員のページ国民平和行進
(c)2002 All Right Reserved Zenunyu