ZEN-UN-YU 全運輸労働組合
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機関紙「全運輸」

2008年
07月05日
(1091号)

要求で団結し 職場に真の労働組合をつくろう

国民のための行政を確立しよう


■1面

=人事評価制度=
  リハーサル試行迫る
  制度を理解し問題点を共有しよう

■2〜3面

日航907便事故上告審勝利にむけたたたかいの強化を

国民の安全・安心をめざして
  ―第12回自動車交通委員会―

業務のあり方と待遇改善を求めて
  ―第7回海技試験委員会―


「全運輸」 1面
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=人事評価制度=

リハーサル試行迫る

制度を理解し問題点を共有しよう

 07年7月に成立した「改正」国家公務員法により、能力・実績主義が強化され、給与・任用・分限などの人事管理の基礎とする「新たな人事評価制度」を2年以内に導入することが決定されたことを受けて、政府・人事院は制度設計にむけ昨年秋から準備をすすめてきました。
 4月に提示された「制度骨子案」「活用措置素案」の提示に続き、今般、来年の導入にむけて職員全員を対象とする「リハーサル試行」に入ることが明らかになりました。

リハーサル試行とは何か

 人事評価制度の設計にあたっては、昨年秋から今年3月にかけて、地方職員と専門職職員を対象に抽出方式で「試行」が行われてきました。
 総務省・人事院は、来年度からの制度施行という、法律で定められた時期が迫っていることもあって、これまでの試行を踏まえて、今秋から全職員を対象に「リハーサル試行」を実施することを明らかにしました。
 その目的は、評価の手法、手続き等に関する職員の理解を深めると同時に、各府省の実施規程を含めた詳細制度設計の参考とするとしています。
 また、期間は具体的に明らかにされていませんが、3ヶ月程度の評価期間を設け、検証作業も含めて年内に終えるとしていることから想定すれば、9月〜11月まで評価し、12月に検証することが考えられます。当然ながら、試行における評価結果は、任用・給与等には反映させないとしています。

試行の流れは

 評価は、「能力評価」と「業績評価」で構成されます。能力評価は管区機関係長、府県単位機関係長、主幹管制官、など職制に応じた標準職務遂行能力に基づいて、被評価者に必要な職務が遂行出来ているかチェックされることになります。
 また、業績評価は業務目標を設定し、どれだけ達成できたかという観点でチェックされます。
 試行の大まかな流れとしては、評価期間が始まる前に、評価者(管理職)と面談し、期間中における業務について「いつまでに、何を、どのように、どの水準まで」という具体的目標を上司と部下が話し合って決めます(期首面談)。その目標を前提に、評価期間中は日々の業務を遂行し、その遂行状況がチェックされます。
 評価期間が終了すれば、被評価者自らが「自己評価」を行うとともに、それも踏まえて、評価者が5段階の評定を行います。
 また、評価者ごとの評定のバラツキをなくすために、評価者を監督する管理者が評定を調整することもあります。調整を行った場合も含めて、評定が確定すれば、あらためて評価者と面談が行われ、評価結果の開示が行われます(期末面談)。
 なお、自己評価と確定評価に著しく差が生じているなど、評価に対する苦情処理等も行われ、簡易・迅速な処理をする「苦情相談」と厳正な手続き則って行われる「苦情処理」の2通りの仕組みが検討されています。

これまでの試行で明らかになった点

 全運輸ではこれまでの試行を検証するため、国公労連の評価制度試行アンケートを単組独自にとりまとめ、試行の課題と問題点を分析してきました(全運輸第1089号6月5日号に掲載)。
 その結果から言えば、評価者、被評価者とも、面談内容や公正・客観的な評価結果について、半数以上が「できなかった」「どちらとも言えない」といった回答になっており、評価制度の有効性が確立できていないことが明らかになっています。特に、評価結果を昇給や勤勉手当に直接反映することには、6割近くの人が適切でないと回答しています。
 今後、さらに詳細な分析が必要ですが、そうした回答が寄せられたのは、定員削減・要員不足の中で、目標設定や面談する時間さえ惜しいという率直な実態があること、また、評価基準が曖昧な状態や、評価者訓練が十分に実施されていないため、的確な評価が行われないなどの原因があると思われます。
 加えて、制度官庁である総務省は、今春実施した「試行」を制度設計にあたっての技術的・実証的見地を得るとしていたにもかかわらず、技術的にどうだったのかという点を未だ明確にしていません。

今後のとりくみは

 職場段階では、国公作成の職場討議資料などを活用した学習を重ねながら、「人事評価制度」の概要と、制度が持つ危険性を理解していくことが重要です。
 国公労連の基本的な考え方は、人事評価制度は国家公務員法第1条にいう、「職員がその職務の遂行にあたり、最大の能率を発揮しうる」ためのものとして位置付けられるべきであり、評価結果を直接賃金決定に反映させるのではなく、公務員としての専門能力育成や業務改善等に活用するべきだという点です。
 例えば、昇給で一度「差」が付けられてしまえば、基本的には退職するまで、その差は埋まらないことになります。長い公務員生活のたった1年間の評価が一生つきまとうことになりかねません。
 また、公平・公正な基準や、納得性の高い制度が作られない限り、評価者の恣意が働きかねず、そのことで「物言えない公務員」が作られていくことになります。
 そのため、試行を繰り返し実施して、技術的検証や評価者訓練を高め、制度の成熟を図った上で、それをどう活用していくのかという議論を巻き起こしていくことが大事です。

「全運輸」 2〜3面
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日航907便事故上告審勝利にむけたたたかいの強化を

 全運輸は、4月11日の日航907便事故控訴審での不当判決を受け、これまで事故対策委員会や支部代表者会議等を通じて、勝利判決へむけた法廷闘争や支援闘争にとりくんでいくことを確認してきました。

不当判決がもたらすもの

 この不当判決は、これまでのとりくみの意義や航空行政・業務実態から見ても、(1)2名の管制官の雇用と身分を守ることができない、(2)原因を個人のミスだけに矮小化し真の事故原因から程遠い、(3)誤った事実認識に基づいた判決であり、安全確保にも影響を与えかねない、(4)業務上の規程違反を直接過失に結びつけており、行政サービスの低下や業務の非効率化など行政への影響が懸念される、(5)OJTを中心とした現在の管制官の訓練体制が根本から揺らぐ、(6)今後の航空事故調査には、真の事故原因究明と再発防止に深刻な影響を与える、といった重大な問題が含まれています。
 また、この裁判は管制職場だけではなく、安全を命題とする交通運輸職場全体にかかる問題であり、今回の判決が、刑事上の過失の要件を極めて広く解釈したことから、エラーやミスに刑罰を科すなど、福知山線事故での教訓を真っ向から否定する動きとなっています。

最高裁でたたかうためには

 最高裁での審理は、第一審や第二審と違い、法律審として通常公判は開かれず、上告趣意書や一・二審からの裁判記録、証拠などの書類による審理となります。
 従って、公判での新たな証拠調べや証人尋問は行われず、最高裁での密室審理となることから、最高裁の裁判官や調査官が控訴審判決について問題意識を持つよう、周到な上告趣意書の作成や、マスコミなどを通して控訴審判決の不当性を社会へアピールし、世論形成を図ることが極めて重要になっています。
 これまで全運輸は、マスコミ対策や世論への訴えを重視し、記者レクやシンポジウム開催などのとりくみを強化してきました。その結果、逆転判決にかかるマスコミ報道では、多くが有罪判決に疑問を投げかけ、航空事故等のシステム性事故では個人の刑事責任を追及することは見直すべき、との報道も出ています。
 しかし、まだ世論や社会情勢として十分に熟成しているとは言えない状況から、国民の安全・安心の確保と民主的な行政確立を観点として、職場や国公労連等産別の足元からとりくみを強化するとともに、民間航空労働者をはじめ、交運共闘など広く交通運輸労働者と共同し、裁判闘争を側面から支援することが重要な課題となっています。
 さらに、世論形成を図るために、医療や鉄道などの分野も含めたシンポジウムの開催など、社会の安全・安心を求める幅広い共同のとりくみも追求する必要があります。

職場では不断のとりくみを

 職場では、日航907便事故を風化させず、第一審における無罪判決の意義や控訴審判決の不当性、職場や社会への影響を再確認し、あらゆる場面で主張していくことが重要です。そのためには、すべての職場でこの裁判闘争に勝利する意志を固め、署名活動や宣伝活動など積極的に外へ打って出る行動にとりくむ必要があります。
 今後の闘争については、引き続き日航907便事故対策特別会計を闘争の財政基盤としますが、これまで以上に広く社会に訴える新たな闘争も必要なことから、一・二審と同様に、闘争資金の確保にむけたカンパ活動にとりくみます。

〈日航907便事故上告審勝利にむけた具体的な行動展開について〉

1.当該者の雇用と身分を守るとりくみ
  当該管制官を、刑事休職させないとりくみを強化。
2.最高裁判所に対するとりくみ
  (1) 最高裁への要請行動やマスコミへのアピールを重視したとりくみを展開。IFATCAなど国際組織と連絡を密にし、共同による最高裁などへの要請行動や、控訴審判決の問題点についてマスコミレクなどのとりくみを強化。
  (2) 地域や民間労働者などを対象として可能な限り広範で「最高裁への公正審理を求める署名活動」にとりくむ。
3.世論喚起と宣伝強化のとりくみ
  (1) 「日航ニアミス裁判、非科学的高裁判決を問う〜システム性事故におけるヒューマンエラー〜」をテーマに航空事故と刑事責任に関するシンポジウムを、7月27日に開催し、マスコミへの宣伝活動を強化する。
  (2) ブロック国公など国公産別や交運共闘、地域への結集を強化し、この裁判の意義や控訴審判決の不当性についてあらゆる機会を捉えて訴え、公正審理署名などにとりくむ。また、地方マスコミへのレクや地域社会、民間労働者などを対象とした共同宣伝行動、シンポジウム、学習会などのとりくみを追求。
  (3) 宣伝ビラ・パンフやオルグ資料の作成、「対策委員会ニュース」の発行など、宣伝資料の作成のとりくみを強化。
4.弁護体制の支援・強化に関するとりくみ
  (1) 法廷闘争にかかる弁護費用について引き続き当該者を支援。
  (2) 弁護費用と、とりくみにかかる財政基盤を確立するため、7月中をとりくみ期間とし、全組合員をはじめ、管理職等の職員や近在のOB等にも積極的に訴え、1口1,000円、1,000万円を目標に、日航907便事故裁判闘争支援カンパを実施。
5.事故の再発防止にむけたとりくみ
  (1) 日航907便事故を風化させないため、ビラやパンフ、対策委員会ニュース、ホームページなどを活用し、オルグの実施など裁判の経緯や不当判決がもたらす問題点などについて、不断のとりくみとして職場への周知徹底を図る。
  (2) 事故の再発防止にむけた抜本的で実効ある対策を求め当局交渉を強化。



国民の安全・安心をめざして

―第12回自動車交通委員会―

 6月23〜24日にかけて、第12回自動車交通委員会を、東京・全労連会館において、支部・本部あわせて21名の参加で活発な討議を行いました。
 監査体制のあり方については、要員配置が進まない中、監査以外の業務と掛け持ちなどで十分な監査が行えていないことから、業務・保安が一体となった組織で効率的な監査を行うためにも、一元的な組織を設置するとともに全ての運輸支局に監査部門を設置させていくことを確認しました。

実効ある規制を求めて

 トラック事業における法令試験制度の導入については、試験制度そのものは、新規参入者の法令意識等のレベル向上をはかる上でも必要な制度であることを確認しました。しかし、職場議論を経ずに、一方的に導入されたことや、実施時期についても前倒しされたことなど不満の残るものとなっています。今後、労働強化とならないよう監視を強め、実効ある参入規制となるよう必要な時期に見直しを求めていくこととました。
 スタッフ制導入後の職場のあり方についての課題では、日頃の職場内でのコミュケーションを充実させ、どのような業務が行えるかを整理していくことや、管理職間での情報共有の強化等により管理職のマネジメント能力の向上を求め、お互いに協力できる職場体制を構築していくことを確認しました。

国民の安全・安心のために評価制度の充実を

 運輸安全マネジメント評価の課題では、自動車モードにおいて、評価対象事業者が保有車両数の多い大規模事業者に限られていることで「安全に対する規制に大小があっていいのか」との疑問がある一方で、対象範囲を広げても行政体制が追いつかないであろうことから、外部評価機関の導入も含め議論しました。しかし、評価自体が一巡していないなかでは時期尚早とする意見も寄せられ、継続議論となりました。
 考え方としては、安全・安心の立場から、全ての事業者を対象に評価を実施すべきと意思統一し、今後、実施方法や体制について検討していくことを確認しました。

業務の簡素効率化で体制確保を

 台帳システムについての課題では、操作性の不具合やシステム上の問題点を検証し地方局の意見を集約させ、システムの再構築等実効的な運用とさせていくことを確認しました。
 自動車交通行政における業務の簡素・効率化の課題では、相次ぐ定員削減などにより要員が不足しているなかで、大胆な業務の見直しが必要になっています。具体的には、統計業務の一元処理など、さらなる業務の簡素・効率化をすすめ、より柔軟に対応できる職場環境の確保をめざし、国民に対するサービスの向上に繋げていくこととしました。
 2日目午後からの自動車交通局長交渉では、国民の安全・安心を守る観点から、地方分権による安易な行政の切り捨ては許さないと当局の姿勢を確認しました。局長からは「みなさんと思いは同じ、共闘を組んでたたかいたい」との回答を得ました。また、各種要求をぶつけ、法令試験制度については問題があれば見直しをすることや、今後も監査要員の増員に努めていくことを確約させるなどし、2日間の会議を終えました。



業務のあり方と待遇改善を求めて

―第7回海技試験委員会―

 海技試験体制の充実強化と労働条件の改善をめざして、6月16〜17日に御茶ノ水・全労連会館で第7回海技試験委員会を開催しました。支部・本部あわせ18名が参加し活発な議論が交わされました。

局間での応援体制が必要

 委員会では、外国人船員の承認試験に関わって、「受験者数が増え業務負担が大きくなっている。海外での業務実施に必要な要員、予算が不足している」との報告がありました。今後、日本籍船舶が増加し、さらに業務量増が見込まれています。現在、関東・本省で対応している業務を全国の仲間でバックアップするための体制と予算確保が必要であることを確認しました。
 また、海技試験官が、運航労務監理官等に対し実施している海事実務研修について、「本来業務に負担をかけてまで実施できる状況ではない」との報告がありました。今後の研修項目の追加計画については、内容から判断して海技試験官以外からの登用の検討を求めていくことを確認しました。

人材確保が喫緊の課題

 海技試験職種は、外航船の船長などの経験を資格要件とされているにもかかわらず、採用時の処遇は採用前の民間船会社などに比べて著しく低い状況となっています。そもそも、近年の日本人船員の減少と相まって、人材確保が非常に困難な状況にあります。「国の政策で、重要な業務と位置付けているにもかかわらず、処遇が低ければ人も集まらない」との意見もあり、処遇改善と人材確保は両輪の課題であるとして、当局に早急に対策を求めていくことを確認しました。

海技試験業務は国の責任で

 当局交渉では冒頭、国家試験業務が市場化テストの対象業務とされる動きがある点を指摘し、当局は「海上の安全確保の観点から、民営化は非常に困難。国が行う大切な業務として体制を維持していきたい」と回答しました。また、人材確保については「我が国の優秀な船員を育成していくためには、海技試験官の役割は非常に重要。一方で人材確保が困難な状況もある。様々手を尽くしていきたい」と回答しました。また、「現行の体制維持をする上では要員が既に最低ライン。今後も体制維持にむけて努力していく」、承認試験業務の要員、予算確保については「業務が増えているのは事実。実績を踏まえ関係課と調整して対応したい」との回答を引き出し、2日間の会議を終えました。


 

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