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機関紙「全運輸」2000年9月5日号(926号)

要求で団結し、職場に真の労働組合をつくろう
国民のための行政を確立しよう


知力を総結集し 全運輸の明日を議論しよう -第三九回定期大会迫る-


 全運輸は、九月十一日から十三日まで第三九回定期大会を神奈川県箱根町で開催します。この大会で議論される二〇〇〇年度運動方針のポイントを宮垣書記長に聞きました。

 賃金・行革闘争と組織強化が重要

教宣部 全運輸の当面する課題は何ですか。
書記長 賃金闘争、行革闘争、組織強化の三点です。
 賃金闘争では、人事院が調整手当の改悪や二年連続の一時金切り下げ勧告など、賃下げ攻撃を行うなかで、人事院勧告制度を打破し、生活改善できる賃上げをかちとるための要求と闘争の確立が重要となっています。
 また、行革闘争では、二五%定員削減反対、独立行政法人の労働条件維持、民主的な運輸行政の確立が運動のカギです。
 さらに、組織強化では、独立行政法人に対応する全運輸の組織・財政の整備を行い、組合員の拡大と日常的な組織活動の強化をはかることが必要です。

2年連続の年収引き下げとなる給与法「改正」に反対します

 8月15日、人事院は、国会と内閣に対して、「447円・0.12%」の格差を扶養手当のみに配分し、期末・勤勉手当てを0.2ヶ月分切り下げる内容の給与勧告を行いました。
 給与勧告は、昨年に続き、年収ベースでの賃金の引き下げを求めるものです。とりわけ一時金については、わずか2年で0.5ヶ月もの削減で、1970年代初頭の月数にまで減少しています。民間一時金の動向を反映したものといえ、急激な年収引き下げが公務員労働者とその家族、さらには、人事院勧告の影響を直接的にうける750万人の労働者の生活に及ぼす影響ははかりしれません。
 国公労連は、本年2月、「27,000円・7.2%」の賃金引き上げをはじめとする統一要求書を貴職に提出しました。その要求の切実さは、今日の時点でも何ら変わるものではありません。むしろ、厳しい経済動向のもとで、生活改善できる賃金引き上げの要求は、いっそう高まっています。
 そのような国公労働者の要求などに照らせば、2年連続の賃金引下げ勧告を貴職が「淡々」と実施することを、労働基本権制約の「代償」機能が発揮されたものとして受け入れることはできません。使用者たる政府の責任ある対応が求められています。
 その立場から、貴職に対して、「2年連続の年収切り下げとなる給与法『改正』は行わないこと」を強く求めるものです。
内閣総理大臣 

森 喜朗殿

2000年 月 日

 賃下げ阻止の首相あて職場連判状を

教宣部 秋闘では、二年連続の賃金引き下げ強行に対して、どのようにたたかいますか。
書記長 国公労連は、八月十五日の総務庁交渉で「二年連続の賃金引き下げとなる給与法改正反対」の要求書を提出しました。運輸共闘も、九月七日に官房長交渉を実施します。また、各支部・分会も運輸共闘秋闘要求書に職場要求を付加し、所属長交渉・上申闘争を展開します。
 さらに、九月十四日までに内閣総理大臣あての職場連判状行動をとりくみ、職場の怒りの声を政府に集中します。(上掲)

 国土交通共闘会議を年内に結成

教宣部 来年から国土交通省が発足し、研究機関と航空大学校、自動車検査職場が独立行政法人に移行しますが、具体的にどうとりくみますか。
書記長 独立行政法人の労働条件を維持するための就業規則への対応や、労働協約締結などが当面重要なとりくみです。
 同時に、職員への労働強化と行政サービスの低下を強いる五年間五・一三%の新たな定員削減計画の中止・撤回を求めるたたかいも大切です。
 国土交通省当局に対応する統一的組織として、国公労連加盟の全運輸、全港建、全気象、全建労で、年内に国土交通省労働組合共闘会議(仮称)を結成します。
 また、独立行政法人に移行する全海員学校職員組合連合会と海技大学校職員組合が、運輸共闘に正式加盟することを決定しており、運輸共闘を通じた他労組との交流や共同行動をつよめます。

 独立行政法人に対応し組織強化へ

教宣部 独立行政法人に対応する全運輸の組織整備もいよいよですね。
書記長 今年の定期大会で方針を決定し、来年の中央委員会で規約の制定と改正を行います。八月八日付の「全運輸」号外をもとにした職場討議を行い、定期大会に意見をもちよって組織整備方針を決定する予定です。
 また、全運輸は、現在、高い組織率を保っていますが、国土交通省当局に対応するためには、引き続き組合員の拡大と日常的な組織活動の強化が重要となっています。




やくどう
 北極圏のバレンツ海で乗組員百十八人全員が死亡したロシア原子力潜水艦沈没事故▼ロシア側の発表では、乗組員の大多数が、八月十二日の事故直後に爆発・浸水よって死亡。艦尾部分にいた乗組員が数日間生存し、船体の壁をたたいてモールス信号で「水が入ってきた」「空気がほしい」と救助を求めていた。なぜ、もっと早く外国に支援要請しなかったのか。乗組員の家族が怒りと悲しみの声を上げている▼批判の矛先は、事故直後から黒海沿岸の保養地ソチで休暇に入り、十九日にモスクワに戻った軍の最高指令官であるプーチン大統領に。核兵器を搭載できる原潜には、多くの軍事機密が隠されている。人命を軽視し、軍事機密を優先する姿勢は、旧ソビエト時代と変わっていない▼ロシア原潜はウラジオストックの太平洋艦隊にも配備され、日本海でも原潜が参加する演習が行われている。移動するチェルノブイリといわれるロシア原潜。放射能汚染の驚異は、海に囲まれた日本も決して他人ごとではない。(T・M)



引き継ごう平和の「語り部」を
−原水爆禁止2000年世界平和大会参加者の声−

 全運輸集結集会では、各支部での平和に関する報告が聞けて、これからの平和活動への参考にしたいと思います。特に、中国支部青婦部の活動には感心させられました。中国海運局原爆犠牲者の碑を始めとした、ヒロシマは「広島」だけでなく「廣島」もあるのだという碑めぐりの企画は良かったと思います。これからも平和を伝える語りべとして、「国公青年・平和のつどいinヒロシマ」のようなフィールドワークを継続し、青年活動の手本となることを期待いたします。

沖縄航空支部 中村広八さん

 昔の出来事として捉えていたものが、広島の現実を見て、原爆の悲惨さを知りました。  一方、被爆者の平均年齢も七十歳を越え、被爆の事実を語り継ぐことが難しくなっていることも課題となっています。中国支部の仲間が独自に勉強した成果を私たちに語ってくれた事、「興味を持つことが大切です。興味を持たなければ、被爆の記憶に風化を招きます」という言葉に共感を覚え、広島だけでなく皆の課題としてとりくんでいかなければという思いが湧きあがりました。

沖縄航空支部 本永幸弘さん

 沖縄の戦争体験を身内や学校で聞かされ、沖縄出身であるがゆえに「沖縄が一番被害に遭っている」「沖縄ほどではないだろう」という感覚が、生まれてからずっとありましたが、平和資料館、原爆ドームの見学、被爆者の講演、つどいなどに参加して原爆投下五五年たった今なお、被害に苦しむ人、被爆者に対する援護が完全に保障されていないなど、一瞬の行為で五五年たっても問題が解決していないことを考えると、核兵器の恐ろしさ、戦争の恐ろしさを誇張ではなしに強く感じました。  今回の貴重な体験を有益にするために、今後も一層活動に力を入れていきたいと思います。

 沖縄航空支部 金城一史さん

 今回初めて平和大行進の集結集会に参加しました。今まで、転勤先で何回も行進には参加したが、全国各コースからここ広島の平和公園に合流した参加者は、照り付ける太陽のもと日焼けし汗だくになった顔に、やり遂げた充実感が満ちていました。  小中学生など若い人も沢山参加しており、この運動を風化させないためにも次の世代に引き継いでいかなくてはならないことを強く感じました。

 九州航空支部 平原建夫さん

 原爆投下から半世紀以上たち、あの悲惨な出来事が風化され始めていることも事実のようです。  八月六日朝のテレビによると、小学生に原爆投下の年月日時を尋ねたところ、正確に答えられたのは半数を割ってしまい四十数%だったそうです。  戦争は人々を不幸に突き落としても、幸せには絶対しません。平和の尊さを今一つ考え直すことができた三日間でした。

 北海航空支部 橋本宗隆さん

 平和の「語り部」の話を聞きたいと思っていたところ、子どもの通う小学校の勉強で戦争の話が出てきたということで、子ども二人を連れて原水禁世界大会に参加しました。  二日目の分科会で、その「語り部」の話を聞くことができました。「語り部」の話の後の討論の際にも、六十歳代後半の男性が涙ながらに体験談を話され、つよく印象に残りました。  全運輸の集会の中で、「語り部」の方たちが高齢となり、「その当時のことを聞くことができなくなる」「私たちが語り部になって多くの人たちに原爆が投下された当時のことを伝えていかなければならない」と話されていましたが、本当に そのとおりだと感じまし た。  日本は、世界で唯一原爆が投下された国であり、三度被爆している国です。日本国政府は「核密約」やガイドライン法を成立させるなど、平和とかけ離れた動きをしているが、子ども達に平和な日本を引き継ぐ運動を行っていきたいと思いました。

 関東支部 古屋 仁さん

   私は、八月四日に広島を歩きました。行き先は、平和公園でした。そこまで、大ぜいの人といっしょに「ノーモア広島、ノーモア長崎」などの言語をくり返し言いながら、進んでゆきました。はじめ、私は、ノーモアの意味がわかりませんでした。  次に、全運輸の人達といっしょに慰霊碑を見に行きました。その中で一番すごいなーと思った所は、地下の指令室です。当日、広島に原爆が落ちたのをしらせた、岡ヨシエさんのことがすごく印象にのこりました。  八月六日は、宮島に行きました。そこで、獅子岩駅までいくロープウェーの中で、いっしょにのったおばあさんからとってもためになる戦争の話を聞きました。  私は二度と戦争をおこしたくありません。だから私にも、できる運動をやってみようと思います。そして、二一世紀は戦争のない、みんな友達の世界にしたいです。

 古屋 茜ちゃん(11)

   ぼくは八月四日に原水きん世界大会にさんかして、広島を歩きました。  と中の公園で合流して、それから平和公園につくと「もうせんそうはしないでほしい」というねがいをこめて、千羽づるをかざっていました。ぼくは、せんそうで多くの人が死ぬから、せんそうはしてほしくないなと思いました。  八月五日は、午前中ひばく者の人の話を聞きました。お話をしてくれたおじいさんは、お話しながら泣いていました。  八月六日に宮島に行った時には、ひばくしかけたおばさんといっしょにロープウェーに乗りました。おばさんは、原ばくが落ちた時に町が真っ黒になっていたと言っていました。お話ししてくれた時に、やっぱり泣きそうな顔になっていました。原ばくのねつをあびた人は、本当に大へんだったなと思いました。

 古屋 諒くん(9)




お知らせ
全運輸第12回中央労働学校
 琵琶湖畔で10月開校! 

 猛暑の夏もそろそろ終わりを告げようとしています。さあ、勉学の秋がやってきます。
 全運輸は、中級幹部育成を目的として、下記のとおり第12回中央労働学校を開校します。新たに役員になった方やその候補者など、学習を深めたいという多くの仲間の参加をお待ちしています。

日時:2000年10月25日(水)13:30受付
   2000年10月27日(金)12:00閉校
場所:滋賀県滋賀郡志賀町近江舞子
   「琵琶レイクオーツカ」Tel077‐596‐1711
講義(予定):
 第1講義 「全運輸の歩みがしめすもの」
 第2講義 「労働法制改悪を許さず、公務労働者
      の労働基本権を考える」
 第3講義 「職場における組織活動のすすめ方」
 第4講義 「憲法と現在の政治・経済状況」
 文化企画 「21世紀は組合だ!」(創作落語)
 第5講義 「医療大改悪を許さず、安心して暮
      らせる社会とは」
 第6講義 「人事評価制度をどう見るか」
※詳細は、全運輸連絡にて別途お知らせします。



今年でラスト!?納涼大会
−関東支部東京分会−

 梅雨が空け本格的なビールの季節に突入した七月二七日、関東支部東京分会は、毎年の恒例行事となっている「納涼大会」を開催しました。
 大会当日は、本部の市川副委員長をはじめ、支部や他の分会からも多数の参加者が集まり、ビールのストロー早呑みやスイカの早喰い、利き酒、また青汁の一気飲みなど、意地悪なゲームなどで大爆笑の渦。
 宴の締めくくりには、プロの大道芸人・ジュリアーノさんの風船芸やマジック・ショーで大いに盛り上がり、暑い夏の一夜を楽しみました。
 九月末には庁舎移転を控えており、このようなスタイルでの「納涼大会」は今回が最後かも知れないのが少し残念…。

関東支部東京分会 久世 真さん




ヨーロッパ交通調査
 10日間の旅硯(たびすずり)
(第4歩)
交運研調査団長
 田中茂富
「上下分離」で
経営効率化を追求

 さて、ようやく交通調査活動の本番に入る。前回での筆者の体験を告白すると、十五か所の訪問先で入手した資料・本類で旅行カバンが満杯になり、帰国の際、身の回り品一切を捨ててきたほどだ。今回は三か所なのでそんな事態は想定せずともよい。しかし、調査が成功したか否かは、報告書の出来ばえで判断されるので、ここでは調査の概要だけを紹介する。
 スペイン国鉄の将来計画は、「公共交通は国の責任で守る」を基本にすすめられている。新幹線整備のために赤字路線を容赦なく切り捨てる日本とは決定的に異なる。一方、「経営合理化」という点ではスペイン国鉄も他国の例にもれない。代表的な政策では、交通インフラ設備投資は国が実施し事業運営部門は民間企業に委ねるという、いわゆる「上下分離」を採用し、赤字解消、人員の効率配置(解雇なし)に努力しているということ。
 また、公共交通を守る制度として、郊外電車、幹線・ローカル鉄道などに手厚い補助制度が確立している点でも、日本のそれは及ぶべくもない。
 このような公共輸送機関の公営方式と民営方式の相違はどこにあるか。
 臨調「行革」の突破口として八七年に強行された国鉄解体・JR化があらためて問われる。公共交通にもちこまれた「採算性最優先」の企業論理と労働組合敵視政策などについて、基本的にはまだ未解決であり、その検証が必要だろう。鉄道交通を評価する場合、幹線輸送の充実だけでなく、地域と生活を支える生活インフラとしての役割・機能をどうみるかという視点こそ重要だと思う。