共済掛金引き上げか(上)
高齢者医療制度改悪の影響
 私たちの給与から毎月支払っている共済組合の「短期掛金」。それは私たちの医療費として使われていますが、約半分は「拠出金」として医療制度を支える財源として使われています。今、それが引き上げられる状況に直面しています。給料は長年、実質据え置かれたまま、物価は上昇、史上最悪の経済不況で、賃金改善の見込みが全く読めないなかで、なぜ負担だけが増えるのか。これからどうすればいいのか、みんなでよく考えてみましょう。
医療制度の改悪
 何が原因で短期掛金が引き上げられるのか? それは、08年4月から実施された医療制度「改定」によるものです。06年に「医療構造改革」がはじまり、そのなかでは、膨れあがった医療費削減をねらいとした政策がすすめられました。その中心となっているのが「高齢者医療制度」です。政府は、財政難を理由に医療負担をお年寄りから労働者にまで広く国民に求めるとしていますが、国の責任ですすめられるべき制度負担を、「応益負担」と称して国民に押しつける内容となっています。
 高齢者医療制度では、対象者が「前期高齢者」と「後期高齢者」に分けられます。「前期」は65歳以上75歳未満まで、「後期」は75歳以上の人と65歳以上で障害者や寝たきりの人、人工透析患者などが対象となります。改定前までは、75歳以上の人は国保と被用者保険に加入し各保険料を払いつつ、老人保険制度(市町村が運営)にも加入し、給付を受けていました。老人保険制度は、公費(税金)と、国保や被用者保険からの拠出金で運営が行われ、保険料はありませんでした。ところが、「高齢者医療制度」では、「後期高齢者」をそれまでの保険から強制的に切り離して「後期高齢者医療制度」に加入させ、わずかな年金で暮らしているお年寄りからも保険料を徴収することになりました。これは、病気がちな人たちだけを集めて保険をつくるというものです。
高齢者医療制度における負担
 医療制度の下では、被用者保険等(大企業などが加入する健保組合、中小企業などが加入する政府管掌健保、公務員が加入する共済組合、国民健康保険)に拠出金などの負担が求められています。08年4月からスタートした高齢者医療制度では、退職者給付拠出金に代わって前期高齢者の医療費に対する納付金(図表B)と、従来の老人保険制度における老人保健拠出金に代わって後期高齢者の医療費に対する支援金(図表C)が求められています。経過措置として65歳未満の退職者給付拠出金が引き続き残っています。
 そのなかでも、前期高齢者の医療に対する納付金と後期高齢者に対する支援金に関しては、被用者保険からの財源負担が大きくなっており、一部の健保組合では「運営維持が出来ない」として解散するという事態に追い込まれています。
つづく

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