行政は「与党」「財界」の従属物か?
「公務員制度懇談会」が報告書発表 行政民主化とは程遠い内容
 「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」は、1月31日報告書をとりまとめ、来年通常国会に各府省横断的な人事管理を行う「内閣人事庁」を設置する法案を提出することをはじめ、5年以内に「改革」を実施することを求めました。 幹部育成を内閣で一元管理
 報告書では、まず、内閣中心の体制を確立するとして、公務員と政治家との接触の集中管理、大臣任命の「政務スタッフ」創設、幹部職員育成の内閣一元管理などを掲げています。これらは、一見、政治と官僚の癒着を絶つための改革であるかのように見えますが、行政組織や国家公務員全体を政府「与党」と一体化し、「全体の奉仕者」ではなく「与党の奉仕者」に仕立てることになる恐れがあります。
採用区分による差別を温存
 また報告書では、キャリア制度を廃止するとしていますが、T種、U種、V種などの採用試験に代わって、「一般職」、「専門職」、「総合職」の区分を設け、「一般職」は各機関が採用するのに対し、「総合職」は内閣人事庁が一括採用し各府省に配属するとするなどなど、事実上「幹部候補」と扱っており、採用区分による差別をより強化するものと言わなければなりません。
民主的な行政監視が困難に
 公務員倫理確立の一部として「守秘義務違反に関する罰則の強化」を掲げていることは、国民の知る権利を侵す恐れがあります。また、行政内部からの問題提起を抑制し、行政に対する民主的な監視を極めて困難にするものであり、到底容認されるものではありません。
 これらの他、官民交流の促進や、信賞必罰によるメリハリのきいた処遇、特定専門職採用への「就職金(支度金)」支給制度創設などがうたわれており、これらは、全ての面にわたって、公務員を政府「与党」と財界に従属させるための「公務員制度改革」であり、行政の「民主化」とは正反対の「改革」と言わなければなりません。
労働基本権の検討なおざり
 懸案となっている労働基本権については、「専門調査会の報告を尊重する」としながら、「使用者機関のあり方について検討する」と述べるにとどまり、真面目に検討したのかさえ疑われます。
 一方で、「勤続20年で昇給停止」など重大な労働条件の不利益変更も提示していますが、労働組合との協議なしに一方的に検討を進めることは認められません。
行政民主化のたたかい強化
 国公労連は、31日、「財界・大企業に奉仕する行政への変質を許さず、国民のための民主的で公正・中立・効率的な公務員制度を確立するため、引き続きとりくみを強化する」との談話を発表し、とりくみへの結集を呼びかけました。現在とりくんでいる「公務の働くルール確立」署名の目標完遂をめざすとともに、政府の進めようとしている「公務員制度改革」の問題を国民の前に明らかにするとりくみを、職場と地域から進めていく必要があります。

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