2010年度の測候所廃止(無人化)拡大について(声明)


 気象庁は、本日(12月28日)、2010年度の測候所廃止(無人化)計画を発表した。廃止が計画されている測候所は、根室、若松、輪島、千葉、御前崎、山口の6か所であるが、これは、「より精度の高い、きめ細かな情報」の提供を求める地域住民の要求に逆らうものであり、到底容認することはできない。
 千葉測候所と山口測候所は、全国に2か所しかない県庁所在地にある測候所であるが、これら測候所の廃止は、より適確な防災対応を進めるため県との連携強化を謳う気象庁の方針に逆行するものといわなければならない。本来であれば、これらの測候所の機能を強化し、地方気象台との連携のもとで県との協力体制をいっそう強めることこそが必要である。
 無人化に伴って高層観測の自動化・遠隔化を余儀なくされる根室測候所と輪島測候所においては、異常気象時に障害が起こった場合、データの欠測が長期化し、予報・警報活動に支障をきたす恐れがある。
 また、これらの2地点を初めとして、すでに廃止され、また廃止が予定されている測候所の多くは、長期間にわたり良好な環境のもとで気候の変化を観測し、データを蓄積してきた。しかし、廃止に伴う周辺環境の悪化が指摘されており、今後ますます重要となる気候変動の監視に対する悪影響が懸念されている。
 気象庁は、去る25日にサクラの開花予想の取りやめを発表したが、これは測候所の無人化によって予想結果の検証ができなくなったため、予想発表地点が1996年の107か所から2009年64か所(もし2010年に発表するとすれば57か所)にまで激減したこともその理由の一つと考えられる。
 私たちは、「測候所は地域の気象と自然環境を監視・観測する最前線であり、自然災害から地域住民の生命と財産を守り、農業・漁業・交通・観光・産業などの経済活動やくらしに必要な情報を提供するという重要な役割を持つ」ことを主張し、測候所の廃止計画の中止と整備拡充を求めてきた。気象・地震災害が頻発するなか、現存する測候所が果たす役割はますます重要度を増しており、それは、「測候所全廃」が閣議決定された後も、測候所近隣の自治体も含めて「測候所存続」を求める意見書等が相次いで気象庁へ提出されていることからも明らかである。私たちは、地域住民や利用者団体とともに、最後まで測候所の存続と機能強化を求めていく。
 地域住民と連帯した運動によって、帯広と名瀬については今回の計画の対象とされなかったことは、貴重な成果である。われわれ全気象労働組合は、地域住民の期待に応え、きめ細かで的確な防災情報・気象情報の提供をはかるため、全国で「気象事業整備拡充運動」を前進させ、国の直接的な責任で防災体制の充実強化に向けて引き続き奮闘するものである。


2009年12月28日
全気象労働組合中央執行委員会

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