2008年度の測候所廃止(無人化)拡大について(声明)


 気象庁は、本日(6月6日)、2008年10月1日で、留萌、寿都、小名浜、富士山、西郷、室戸岬、米子、屋久島、沖永良部、与那国島の10測候所を廃止(無人化)すると発表した。これまですでに68か所もの測候所が廃止に追い込まれており、この計画が強行されるならば、測候所はわずか18か所を残すのみとなる。これは、「より精度の高い、きめ細かな情報」の提供を求める地域住民の要求に逆らうものであり、到底容認することはできない。
 今回廃止となる測候所には、高層気象観測を行っている米子測候所が含まれているが、測候所が廃止された後も引き続き現地で高層気象観測は行うとしている。高層観測業務を行う体制が現地に残るにもかかわらず、地上気象観測や天気解説業務を止めてしまうのは、極めて非効率的と言わざるを得ない。
 屋久島・沖永良部測候所は、空港に所在して航空気象の観測と解説も兼務していたが、今回の測候所廃止に伴い航空気象業務も自治体に委託されることとなる。航空気象業務の委託自体も、簡略化された観測通報体制や、緊急時の体制などの問題が指摘されており、地元住民や自治体にとっては、測候所の廃止に加えて2重の問題を抱えることになることが指摘できる。また、与那国島測候所は、岩手県綾里、南鳥島と並んで、国内3か所で行っている大気バックグラウンド汚染観測地点であり、精密な観測を無人化してよいのかとの疑問がぬぐえない。
 与那国島、沖永良部、屋久島、室戸岬などは、台風のとおり道にあたるために過去に何度となく大きな被害を受けており、測候所自体も強風のため風速が計測不能となるなどの被害を受けたこともある。このような過酷な気象条件のもと、また、過疎地や離島という悪条件のもとで、無人化された後も、観測装置の保守管理に十全の対応が取れるのであろうか。私たちは、これまで職員が居てこそ、悪条件のもとでも観測を続けることができたのであり、そのことが地域の防災に少なくない役割を果たしてきたものと考える。
 私たちは、「測候所は地域の気象と自然環境を監視・観測する最前線であり、自然災害から地域住民の生命と財産を守り、農業・漁業・交通・観光・産業などの経済活動やくらしに必要な情報を提供するという重要な役割を持つ」ことを主張し、測候所の廃止計画の中止と整備拡充を求めてきた。近年、集中豪雨や津波を伴う大地震などが頻発している。こうしたなか、防災情報の高度化とともに、消防や市町村、住民への直接かつ確実な情報伝達の実現が気象庁に対し切実に求められており、現存する測候所が果たす役割はますます重要度を増している。それは、「測候所全廃」が閣議決定された後も、測候所近隣の自治体も含めて「測候所存続」を求める意見書等が相次いで気象庁へ提出されていることからも明らかである。
 私たちは、地域住民の期待に応え、きめ細かで的確な防災情報・気象情報の提供をはかるため、全国で「気象事業整備拡充運動」を展開してきた。この運動をこれからもよりいっそう前進させ、地域住民や利用者団体とともに、測候所の存続と機能強化を求めていくものである。

2008年6月6日
全気象労働組合中央執行委員会

参考資料
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